先輩移住者の声

INTERVIEW

金沢での「起業」で
より自分らしい人生を歩めるように。

手島 シークリンデさん

金沢に移住した経緯を教えてください。

手島 東京では都心を中心に生活をしていました。ある日、生まれたばかりの次男をベビーカーに乗せて長男と散歩をしていた時、ベビーカーのすぐ横を車が通りすぎて、ひやっとした瞬間がありました。この経験をきっかけに、私自身が育った金沢のまちを思い出し、のびのびと自然豊かな環境で子どもたちを育てたいと考え始めました。
同じ頃、金沢に住む母が病気になり、月に何度か帰省しながらサポートするようになりました。父は外国人なので、母の入退院や介護の手続きに関する日本語の書類対応が徐々に難しくなり、両親の老々介護の問題に直面することになりました。
さまざまな課題が一気に押し寄せたタイミングでしたね。このまま東京に住み続けていいのか悩み、多くのことを考え始めました。そして、両親のことや子育て環境を考慮し、以前から憧れていた「起業」を故郷の金沢で実現するという決断に至りました。年齢的にもキャリアを積んでおり、40歳までには何か形に残せる実績を作らなければならないという使命感に燃えていました。故郷への恩返しや地方活性化への気持ちが強かったのだと思います。

企業への転職ではなく、起業を考えたのはなぜでしょうか。

手島 自分自身ですべての案件について決定権と責任を持って行動したかったからです。私には子どもがいるため、正社員になっても時短勤務となります。そうなると、どれだけ成果を残しても給与が一定の範囲を大きく超えることは難しいですよね。一方、起業すれば、努力した分だけ結果を形に残せると考えるようになりました。自由な働き方で、好きなことを、好きな場所で、好きなだけ働ける―それがモチベーションになり、起業に至りました。

育児と仕事との両立はいかがでしょうか。

手島 東京では、企業で正社員をしながら育児を行うことの難しさを強く感じていました。例えば、子どもが熱を出したときの対応や、出張の制限、キャリアアップの難しさなど、多くの課題がありました。
金沢で起業してからは、子どものお迎えや行事の参加、体調不良時も子どもを最優先にできる環境が最高だと実感しています。もちろん、常に責任感と隣り合わせで、子どもを寝かしつけた後に徹夜で仕事をすることもあります。それでも、仕事の楽しさややりがいが格段に大きいですね。

金沢で起業する魅力について教えてください。

手島 金沢には、まだまだ未開発な部分が多く、ビジネスチャンスがたくさんあると思います。 私の例で言えば、東京ではPR業務が一般的ですが、金沢ではあまり浸透していません。しかし、金沢には工芸品や宿泊施設、地域産業、食文化など、販路開拓や知名度向上が必要なモノやコトがたくさんあります。PR業務はそういった部分で大いに活かせると感じています。
もうひとつの魅力は環境でしょうか。近年、働き方の自由度が格段に上がりました。Wi-Fiがあればどこでも仕事ができるので、趣のある金沢で、おいしい食事や水、美しい自然に囲まれながら働けるのは生活の質が高まると実感しています。
東京との距離が北陸新幹線のおかげで近くなったことも大きなメリットだと感じています。私自身、東京出張も多いので、この適度な距離感が非常に心地よく生活にフィットしています。

金沢未来のまち創造館

移住を検討している方へ、金沢での働き方や仕事探しの面でアドバイスをお願いします。

手島 多くの業種で人材不足が続いているので、働く場はすぐに見つかるのではないでしょうか。
私自身は「起業」をお勧めしますが、現在はリモートワークが一般的になっているため、さまざまな選択肢があります。たとえば、東京の会社に勤めながら金沢に住み、日常的な業務はフルリモートで行うという働き方も可能です。
そう考えると、移住のハードルはそれほど高くないと感じます。私のモットーは「悩んでいるなら、まずは行動してみる!」です。実際に体験してみることで、新たな可能性が見えてくるかもしれません。

プロフィール

氏名:手島シークリンデ
出身:金沢市生まれ
現住所:内灘町/会社事務所は金沢市彦三町
移住年:平成27年(2015年)
職業:株式会社オフィスシュナイダー 代表取締役